【書評】大人のための読書の全技術(中学受験向け)

子供への読書習慣

みなさん、子供の読書習慣って重要だと思いませんか?

親もそうですが 「中学受験」 を考え始めてから、本を手にする機会が以前の生活に比べて増えました。

情報収集が重要だと自分自身が意識していることも大きいのですが、親の読書習慣の変化だと思います。

そこで、もっと効率的に本から情報を入手できればと思い、この 「大人のための読書全技術」 という本を手に取りました。

こんにちは、凛(りん)です。

どんなことでも同じですが、効率的に行うことで多くのメリットが得られます。

この本は、大人のための・・・と書いてありますが、読んでいくうちに子供への読書習慣にも活かせないかなと考え始めました。

「本を読みなさい!」とは言うものの、読み方やテクニックって教えていますか?

私は子供に「暇なら、本を読んだら?」っていうのですが、「どうやって?」と言う読み方のレクチャーってしていないなぁと気が付きました。

そこで、この書評では 「ん?これは子供向けに使えそう」 といったテクニックを少しカスタマイズして、通常の書評とは視点を変えた書評として残せればと考えています。

もちろん本書は、大人のための読書技術として良本であることは言うまでもありません。

読書への悩み

みなさん、本を読もうと考えたときに次のようなことに困っている人は少なからずいると思います。

本からの情報収集は多くしたいけど、時間が無い・時間が作れない人。
本は好きだけれど、もっと多くの情報を効率的に収集したい人。
本を読むことに使える時間が少ないけど、多くの本を読みたい人。

こんな人に読んでもらえると「なるほどね!」という気づきがあります。

もちろん、時間があって本も好きと言う人も効率よく多くの本を読むことで、より多くの良本に出会えることでしょう。

本書は、「少ない時間で、効率よく多くの本を読みたい。または、情報を入手したい。」という要望をかなえることをゴールとし、最短でそのゴールに辿り着くためのテクニック集とマインド集が書かれている本と言えます。

毎日の仕事・家事だけでも、1日24時間という限られた時間を忙殺するには十分すぎます。

その中に、良質な睡眠・楽しい食事の時間といった生活の基盤となる日々のイベント。

そして、怪獣相手の育児・日々悩みが増える中学受験対策と生活の基盤となる行動を削っても、1日の時間が足りないかもしれないと思えてきます。

さらに情報収集のための読書時間は、どうやって確保すれば良いのか。

そもそも、本を1冊読み切るためにどれだけの時間が必要となるのか。

読みたい本は買ってみたけど、積読(つんどく)状態の本が何冊あることか。

私に至っては、こういった状態が慢性化しております。

時間がある人であれば、試行錯誤して自分なりの読書術を見つけるのも良いかもしれませんが、この状況を打開したいのは「今」じゃないですか。

そんな人は、試行錯誤せずその極まったテクニックとマインドを手にしましょう。

ただでさえ時間が無いので、最速でゴールに立つことが効率的だと思います。

私は、時間はお金で買うものだと考えているところがあるので即決購入しました。

本書の特徴

とにかく得られるテクニックやマインドは多いです。

本書を読みテクニックを習得することで、次のようなことが得られます。

・文章処理能力が上がり、こなせる仕事量が飛躍的に増加する!
⇒(中学受験向け)文章を読むためのテクニックが上がり、読解力が飛躍的に増加する!

・仕事の隙間時間で、1日10冊以上を読破できるようになる!
⇒(中学受験向け)読書量が増えることで語彙力アップ!

・語彙と知識が豊富になって、会話の達人になる!
⇒(中学受験向け)語彙力が上がることで、言葉の理解力がアップ!

・新たな概念を獲得し、斬新な企画が立てられるようになる!
⇒(中学受験向け)文章読解の多角的視点が身に付く!

・経験と共用が蓄積して、優れたリーダーになる!
⇒(中学受験向け)ここはちょっと対象外かも

・思考力と集中力が磨かれて、どんどん頭が良くなる!
⇒(中学受験向け)学習のための集中力向上!

とまぁ大人向けのテクニックとして記載されているのですが、咀嚼して子供の学習に応用することで本を読むテクニックを教えてあげられるのではないかと考えています。

著者のプロフィール

著者:斎藤 孝(さいとう たかし)

1960年静岡県生まれ。

東京大学法学部卒業。

同大大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程等を経て、現在、明治大学文学部教授。

専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。

著書は、『身体感覚を取り戻すー腰・ハラ文化の再生』(NHKブックス)、『声に出して読みたい日本語』(草思社)、『読書力』(岩波新書)、『上機嫌の作法』(角川oneテーマ21)、『学問のすすめ 現代語訳』(ちくま新書)、『雑談力が上がる話し方―30秒でうちとける会話のルール』(ダイヤモンド社)、『孤独のチカラ』(新潮文庫)など多数。

本の概要

序章、本編1章~5章、終章の全7章構成となっています。

序章:社会人にこそ、読書術が必要な理由

活字量は、その人の思考速度に比例するとあり、思考力は読書によって鍛えられると言っています。
つまり、多くの活字に触れることのできる読書が、人の思考力・思考速度の原点と言えます。

⇒(中学受験向け)このことからも、幼少期から活字に触れる機会が子供の思考力に大きく関わってくることが見えてきます。
中学受験に向けても、思考力向上にはずばり!「活字」なのだと思います。

第1章:読書のライフスタイルを確立する

読書のライフスタイルを確立するためには、ルールを作ることが大切。
本書では、電車の中では携帯ではなく読書また、1日1回はカフェに入り読書。
このように、読書をするための行動ルールを決めることが推奨されています。
一番のポイントは、「人との待ち合わせは本屋にする」と言うところで、少し早めに到着しても、待ち合わせに相手が遅れてきても、本屋で情報収集する時間に使えます。

⇒(中学受験向け)本屋もしくは図書館へは、ルールを決めてこまめに立ち寄るのが良いと感じました。
例えば、通塾の前後に時間を作って本屋へ。
ルールとすることで、本が身近な存在になることでしょう。

第2章:読書の量を増やす(速読の全技術)

本の速読には、期日と目的を決めることとあります。
「いつまでに読み終える」「誰かに説明する」の様に、期日と目的を明確に自分ルールとして設定します。
こうすることで、本を読み終えるのである!しかも、内容を把握するポイントを押さえて!という本への向かい方が変わります。
また、目次を先に読むことで本を読み進めるためのガイドを頭に入れます。

⇒(中学受験向け)目次を先行して読み、本の内容を把握してから本編に入るという方法は、とても重要だと感じました。
子供は、目次飛ばして本編突入!というパターンが多いと思うので、頭の中で目次をもとに本のガイドを意識づけするだけでも読解はスムーズになるのかなと感じました。
子供に本を読み聞かせるときまた、子供に本を読むときは、是非目次の説明からしてみると良いと思います。

第3章:読書の質を上げる(精読の全技術)

文章を正しく理解するためには、精読が必要となります。
精読に欠かせないのは「音読」と言われています。
学校では先生が音読し、後について生徒が復唱する。
こうすることで、正しい文章の読み方、抑揚、テンポを理解し本の読み方を学ぶことが出来ます。

⇒(中学受験向け)これは、やはり親が音読し、読み方を丁寧に教えてあげる必要性があると感じました。
「本読みなよ」とは言うものの、正しい読み方を教えていなかったなと第3章を読みつつ「はっ!」とひとり申し訳ない気持ちになりました。
本の「読み方」をしっかりとレクチャーしてあげる必要があります。

第4章:読書の幅を広げる(本選びの全技術)

読書は、活字を読むだけではなく作者の経験を疑似体験できる。
つまり、偉い人、出会うことの無いすごい人、もう亡くなっている昔の偉人など、体験や考えを疑似体験できるのが、この本と言うアイテムなのです。

⇒(中学受験向け)本の魅力をしっかりと伝える必要があると感じました。
本によって特徴があるので、作者の意図や思い、伝えたいことなどを読み取る力を付けるためにも本としての付加価値となる魅力を伝えることが重要です。

5章:読書を武器にする(アウトプットの全技術)

ここでは、読書は「自分が楽しむための読書」と「何らかの武器を得るための読書」の2つがあると記載されています。
アウトプットを意識した読書が重要であるとあります。
そして、言語化とは「抽象化の力」のことであり、抽象化の力が高い人ほど深い思考能力を持っています。

⇒(中学受験向け)子供が読む本は、どちらかと言うと前者となる「自分が楽しむための読書」が大半だと思います。
その読書の中で、「抽象化の力」を高める施策が必要だと感じました。
例えば、要約ですね。
読書の中で、短編であれば読書後に、長編であれば小単位で「どんなこと書いてあるの?」と聞いてあげてください。
そうすると、頭の中で頑張って要約して説明するようになります。
結果に、親に説明することを念頭に入れて本を読む習慣が出来上がります。

終章:社会人が読んでおくべき50冊リスト

これは著者のおすすめ本です。
個人的に今後何冊かここから読みたいなと考えている本を見つけましたので、皆さんも是非読書を楽しんでみてください。

3つのポイント

ポイント1 今までの自分

読みたいと考えている本は多いが、なかなか本を読む時間が捻出できない。

また、本は初めから終わりまで熟読することで、その本の価値をすべて吸収できると考えている。

せっかくお金出して購入したのだし、綺麗ない状態で保管したい。

本書に出会う前までは、このように考えていました。

みなさんはどうでしょうか?

本に対する考え方や扱いは人それぞれでしょうけれど、少なくとも私の考え方に共感される方もいるのではないでしょうか。

ポイント2 本書での気づき

本書では、「三色ボールペン方式」というテクニックが紹介されています。

本の中で、伝えたいこと重要度が高い箇所を「赤色」で、次に重要な箇所を「青色」で線を引きます。

そして、主観でこれは面白!と感じたところを「緑色」で線を引くように書いてあります。

こうすることで、本を読み込む深さが変わってくるとのことです。

本は、読み「知識を自分のものにする」ことが最も重要である。

このように、本への扱い方や考え方がわかりました。

ポイント3 変化

本書の購入とともに、2色の蛍光マーカーを購入。

また、重要箇所をすぐに振り返れるように付箋も購入し、本に対してマークしたり付箋貼ったりと自分カスタマイズの本を仕上げていきました。

線を引くことで確かに、頭に入るのか思い返すことが多くなりました。

また、付箋箇所だけをチェックするだけでも、本の概要やその時線を引いた自分なりの理由まで蘇ってきます。

まとめ

本書は、大人向けの読書のテクニックやマインドを詰め込んだものですが、中学受験を意識した本の読み方や長文読解へのテクニックとしても十分流用できる内容だと感じました。

大人は、本書を読み情報収集能力を高め、子供に対して咀嚼してテクニックを伝えてみてください。

きっと、親子ともども有益な1冊になることでしょう。

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