小学校におけるプログラミング教育の必修化 -All-

2020-10-26

小学校におけるプログラミング教育の必修化

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>>小学校におけるプログラミング教育の必修化 -プログラミング教育とは-
>>小学校におけるプログラミング教育の必修化 -国外・国内での取り組み-
>>小学校におけるプログラミング教育の必修化 -プログラミング的思考教育-
>>小学校におけるプログラミング教育の必修化 -まとめ-

小学校におけるプログラミング教育の必修化 -プログラミング教育とは-

2020年度から、小学校で『プログラミング教育』が必修化されます。

いよいよITの波が、小学校教育まで押し寄せてきたのでしょうか!?

日本でも、小学生プログラマの育成に力をいれて取り組むことになるのでしょうか。

IT業界にお勤めの方であれば、プログラムというとコンピュータ言語でパチパチとコードを書くのかな?なんてイメージしてしまいますね。

また、IT業界にお勤めでない方であれば、プログラム!?やったことないけど・・・。
といった、心配も出てきますよね。

誤認や不安を払拭するためにも、小学校で必修化されるプログラミング教育を正しく理解していたほうが良さそうです。

小学校で必修化されるプログラミング教育とは

必修化の開始時期

小学校教育でのプログラミング教育の必修化の開始時期は、2020年度から必須科目として取り入れられます。

実は中学校教育では既にプログラミング教育が、2012年から組み込まれていることをご存知でしょうか。
科目は、技術・家庭科の科目で、プログラムによる計測・制御といった必修科目が取り入れられ授業として行われています。

中学校で既に必修化されていますが、パソコンを使ったプログラミングの話は耳にしないですね。
『プログラミング教育必修化』と表現されている情報ですが、どういった内容を表現している言葉なのか整理してみましょう。

プログラミング教育の内容

プログラミング教育を推進しているのはどの機関なのかというと、文部科学省による推進となります。
国の教育機関が推進していることからも、プログラミング教育への取り組みの本気度がうかがえますね。

それでは、国の教育機関である文部科学省が推進するプログラミング教育が、日本の教育の中でどういった力を身に着けてもらうためにこのようなカリキュラムを作ったのかを考えてみましょう。

IT力の育成

ズバリ!『IT力の強化』がこのプログラミング教育の本質となります。

コンピュータと密接に関係するような『ITスキル』ではなく、『IT力』の強化と表現されているところがポイントです。

IT力とは、物事を深く観察し視野を広げて考えられる力を身に着けることも、目的のひとつとして掲げられています。

幼少期から『IT力』と高め、これからのグローバル社会を勝ち抜くための人材能力の底上げが大きな目的としてありそうですね。

プログラミング教育とは、プログラマの育成ではなくプログラミング的思考の力を身に着ける教育のようです。

次に、プログラミング教育に関する国内外の取り組みを見てみましょう。

小学校におけるプログラミング教育の必修化 -国外・国内での取り組み-

プログラミング教育への取り組みは、実は日本だけの話ではありません。

むしろ、日本は国外のプログラミング教育事情に比べて、出遅れているくらいです。

実際、国外でのプログラミング教育への取り組みは、どの程度認知されているのか見てみましょう。

国外・国内でのプログラミング教育への取り組み状況

国外での取り組み状況

国外において、小学校の教育カリキュラムとしてプログラミング教育を取り込んでいる国は以下のとおりです。

・イグランド
・エストニア
・ハンガリー
・ロシア
・インド
・韓国
・上海
・台湾

どうでしょうか、思いのほか多くの国が積極的にプログラミング教育に取り組んでいることがわかります。

また、イングランドにおいては、小学校の教育カリキュラムとしてプログラミング教育が充実しており、しっかりと整備されているようです。

教育内容に関しては、アルゴリズムやプログラム知識を学ぶ内容となっており、プログラミング的思考を超えた高度な教育内容となっています。

国外でのプログラミング教育に関しては、現時点での日本の文部科学省が推進するプログラミング的思考と比較すると、カリキュラムに違いがありますね。

国が変われば、教育方針も教育内容も違いが出るのでしょう。
とても興味深いですね。

イングランドの中学校では、プログラミング教育としてPython(パイソン)という開発言語(コンピュータプログラミング言語)を学習しているそうです。

Pythonというプログラミング言語は、AI(人工知能)やビックデータと言われる市場で積極的に利用されているプログラミング言語です。

今後は、AIやビックデータを扱う市場では、イングランドが世界を牽引するようになるかもしれないですね。

国外での、プログラミング的思考は日本のカリキュラムとは若干の違いがあること、また国によってはプログラミング言語といった分野まで教育として踏み込んでいることがわかりました。

では、日本ではどうでしょうか、次に国内の取り組みに関して見てみましょう。

国内での取り組み状況

国内における小学校でのプログラミング教育への取り組みは、国外で行われている教育カリキュラムと若干の違いがあります。

大きなところでは、プログラミング言語による開発スキルを習得といったことではないことです。

IT業界ではない方、またプログラム経験がない方としては少し安心ですね。

おそらく、このサイトを見られている方の多くはプログラマではないと思われますので。。。

国内におけるプログラミング教育では、プログラミングの教科が追加されるのではなく、プログラミング的思考を習得することが主目的となるようです。

次に、プログラミング的思考とはどういった思考のことなのかを見てみましょう。

小学校におけるプログラミング教育の必修化 -プログラミング的思考教育-

小学校のプログラミング教育の必修化の主軸としては、『プログラミング的思考の習得』にありそうです。

文部科学省の学習指導要領を見る限り、論理的思考を身に着けそれを磨いていくことを目的としていることが読み解けます。

よく聞く『ロジカルシンキング』のことを指しています。

このロジカルシンキングを身に着けることこそが、重要であり目的であるということです。

事象に対して、因果関係を意識し思考の展開の道筋を立て、段階的に判断し思考する。

ご存知の方であれば、『トヨタ式のなぜなぜ分析』が有名ですね。

ある問題に対して、『なぜそうなったのか?』を行い出てきた答えに対してさらに『なぜそうなったのか?』を合計で5回繰り返します。

そうすることで、問題の『真因』を明確にするのと、その真因に対するロジカルな問題分析を自然と行うことが出来る思考方法です。

プログラム的思考(コンピュテーショナル・シンキング)と論理的思考(ロジカルシンキング)はともに共通点がありそうです。

プログラミング的思考教育について

プログラミング的思考教育とは

プログラミング的思考教育とは、パソコンを使ったプログラミング技術の習得ではなく、物事の仕組み・環境・計算・論理的思考のすべてを使って、そこにある課題を発見。

そして、その課題を効率よく解決に導く答えを出すことにあります。

不明瞭な課題に対して、プログラミング的思考を用いて明確化することで、不明瞭な課題を明確化することを行えるようなスキルを習得する教育となります。

プログラミング的思考教育とは、どういった学習方法で習得を促すのでしょうか。

プログラミング的思考の学習方法

プログラミング的思考とは、コンピュテーショナル・シンキングとも言います。

コンピュテーショナル・シンキングとは、どういった学習方法なのでしょうか。

例えば、算数の教科を用いて、プログラミング的思考を取り入れた授業を行うと次のようになります。

【問題】

答えが『6』となる数式を答えなさい。

【回答】

回答① 3 + 3 = 6

回答② 12 ÷ 2 = 6

回答③ 3 × 2 = 6

回答④ 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 = 6

このように、回答が複数あります。

機械的かつ論理的に答えを求めるために、多角的な視点や方法で答えを求めることを学習します。

つまり、答えを出すための思考(方法)に柔軟性を持たせて、答えにたどり着く道筋は論理的に説明できる必要があります。

こういった考え方は、社会に出ると必要となる重要な考え方ですね。

仕事をされている方だと問題解決のための方法として、『特性要因図』という問題解決方法を聞いたことがある方もいるかもしれませんね。

こういった、考え方を多分に含んだ内容となりそうです。

プログラミング的思考が、社会に出ると重要となりそうな考え方であることはご理解いただけたかと思いますが、習得することによる具体的なメリットはどういったものがあるのでしょうか。

プログラミング的思考の習得メリット

問題解決能力に大きく関係がありそうな教育内容ではありますが、具体的にどういったメリットがあるのかを見てみましょう。

・シンプルな思考力

課題に対して論理的な解決策を導き出すために、最短でシンプルな思考力が身につく。

・類似課題への対処力

プログラミング的思考では、『処理の一般化』をすることが可能となります。

処理の一般化とは、誰が行っても同じ回答が出せる標準化された解決フローを導き出す力が身につく。

社会に出てからも『論理的思考』という言葉をよく聞きますが、幼少のころから鍛えておくことで、大きな力になることは間違いなさそうですね。

プログラミング的思考の習得メリットはあるものの、小学校のカリキュラムとしての導入はスムーズなのでしょうか。

プログラミング的思考の学習障害

プログラミング的思考を学習カリキュラムとして、取り込むことに障害となる事象はあるのでしょうか。

この学習カリキュラムは、教育を提供する側にありそうです。

そもそも、プログラミング的思考を学習するための環境が整っていません。

例えば、生徒に教えるための教師(先生)が、そもそもプログラミング的思考を習得していないため、小学校での教育プログラムがどのように進められるのかわからず少し不安ですね。

つまり、教育を提供する側の準備がいつ頃までに整うのかわからない状態で、2020年度には待ったなしで必修化されます。

すでに、いくつかの学習塾では『習い事の科目』として、プログラミング的思考を取り入れているカリキュラムも登場しています。

もし、心配であれば、試してみるのも良いかもしれませんね。

個人的には、Gaudia(ガウディア)という学習塾が気になっています。

次に、まとめです。

小学校におけるプログラミング教育の必修化 -まとめ-

2020年度に小学校にてプログラミング教育が必修化となりますが、実際プログラマを育成するということではなさそうなので、それほど慌てる必要はなさそうですね。

ただし、教育内容を考えると幼少期から鍛えておくスキルとしてはとても重要に感じました。

また、論理的思考で子供から反論されて、ヤキモキする親御さんが出てくるかもしれないですね。

学習塾では、すでにプログラミング的思考を取り入れたカリキュラムが提供されているため、早めにスタートを切っておくのも良さそうです。

プログラミング的思考を家庭学習で教えるには、少しハードルが高そうに感じました。

さらに、国外でのプログラミング教育は国内よりも格段に進んでいます。

全世界的に考えるとプログラミング教育は新しい風と捉えるのではなく、世界と戦うための武器として身に着けるべき必須スキルと考える必要がありそうです。

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