小学校、中学校の全国学力テスト

2021-02-11

全国学力テストとは

全国学力テストとは、文部科学省が行っている日本の全国的な学力調査を指します。

正式名称は、全国学力・学習状況調査等と言います。

これは、日本全国の子供たちの学力状況把握が目的となります。

2007年度(平成19年度)から、調査実施されています。

学力テストの対象は、小学6年生と中学3年生を対象に実施されています。

その結果をもとに、学校における教育指導の充実や学習状況の改善に役立てます。

さらに、教育に関する継続的なPDCA(検証改善)サイクルを確立します。

学力テストの調査科目は、国語・算数(数学)・理科の3科目での調査となります。

理科の科目に関しては、2012年度(平成24年度)、2015年度(平成27年度)、2018年度(平成30年度)の調査時に追加されています。

また各科目において、「知識」に関する問題と「活用」に関する問題の種別で調査を行います。

国語における調査内容

主として、「知識」に関連する問題

▶目的に報じて必要な情報を捉える技能
▶文章中における主語・述語との関係を理解して、正解となる文章を記述する技能
▶相手や場面に応じて適切な言葉を使う技能

主として、「活用」に関する問題

▶話し手の意図を捉えながら聞き、自分の意見と比較し考察し意見をまとめる技能
▶目的や意図に応じて、内容の真意を明確にして詳しく記述する技能
▶目的に応じて、複数の書籍や文章を選んで読む技能
▶目的に応じて、文章の内容を的確にとらえ、自分の考えを明確にしながら読む技能

以上のように、国語に関する調査内容に関しては、話す・聞く・読むといった3技能を調査するようです。

算数における調査内容

主として、「知識」に関する問題

▶学習指導要領の領域として、数と計算、量と測定、図形、数量関係
▶評価の観点として、算数への関心・意欲・態度、数学的な考え方、数量や図形についての技能・知識・理解
▶問題形式として、選択式、短答式、記述式

主として、「活用」に関する問題

▶同上

年度によって、各区分で出題されない区分もあるようですが。。。

理科における調査内容

主として、「知識」に関する問題

▶理科に関する基本的な、概念などについての「知識」を問う
▶理科に関する基本的な、観察・実験の「技能」についての知識を問う

主として、「活用」に関する問題

▶理科に関する知識・技能を「適用」することを問う
▶理科に関する知識・技能を用いて「分析」・「構想」・「改善」することを問う

理科の内容を理解しているか、知識・技能として習得しているかを調査します。

全国学力テストの正答率と偏差値を見てみましょう。

この順位に関しては、公立の小学校・中学校のもので、国立校・私立高は含まれていません。

そのため、国立校・私立高が多い地域では、実態と多少の乖離(かいり)があることは念頭に置いておきましょう。

小学校正答率全国順位(上位5位)

1位 石川県
正答率:66%
偏差値:80.63
公立小学校数:205校・3分校
国立小学校数:1校
私立小学校数:1校

2位 秋田県
正答率:65.6%
偏差値:78.43
公立小学校数:195校・1分校
国立小学校数:1校
私立小学校数:0校

3位 福井県
正答率:63.8%
偏差値:68.52
公立小学校数:191校
国立小学校数:1校
私立小学校数:1校

4位 富山県
正答率:63.4%
偏差値:66.31
公立小学校数:183校・1分校
国立小学校数:1校
私立小学校数:1校

5位 東京都
正答率:63.0%
偏差値:64.11
公立小学校数:1286校
国立小学校数:6校
私立小学校数:53校

5位 広島県
正答率:63.0%
偏差値:64.11
公立小学校数:467校
国立小学校数:3校
私立小学校数:7校

中学生正答率全国順位(上位5位)

1位 福井県
正答率:67.8%
偏差値:75.70
公立中学校数:74校
国立中学校数:1校
私立中学校数:4校

2位 石川県
正答率:67.6%
偏差値:74.56
公立中学校数:84校・3分校
国立中学校数:1校
私立中学校数:2校

3位 秋田県
正答率:67.4%
偏差値:73.42
公立中学校数:112校・1分校
国立中学校数:1校
私立中学校数:0校

4位 富山県
正答率:66.4%
偏差値:67.73
公立中学校数:79校
国立中学校数:1校
私立中学校数:1校

5位 静岡県
正答率:65.2%
偏差値:60.90
公立中学校数:265校・1分校
国立中学校数:3校
私立中学校数:27校

全国学力テストのトップは、秋田県、福井県、石川県、富山県が常に上位にいるように見えます。

また今回は記載していないですが、最下位の都道府県もトップ同様に入れ替わりはありませんでした。

この違いを見てみると、家庭内での学習方法に違いがあります。

上位の都道府県では、家庭内での学習方法に対して「具体例をあげて自治体が支持」を行っているようです。

逆に最下位付近の都道府県では、こういった具体例が無い状態での家庭学習となっています。

そのため、家庭学習における根本的な部分でつまずきがあり、結果的に学力テストの結果へと出てしまっているようです。

つまり、具体例をあげて家庭学習の指示を行っている自治体の都道府県では、学力テストの結果が高いことがわかります。

結果的に、具体例をあげて家庭学習を指示すること自体の重要度が高いと言えると考えています。