校風の違いと選び方

中学受験の学校選びで、最も多くの親が悩むのが 「校風の違い」 です。
偏差値や進学実績は数字で比較できますが、校風は“見えない情報”だからこそ判断が難しく、入学後の満足度を大きく左右します。

「自由校風と規律重視、うちの子に合うのはどっちなのか」
「共学・男子校・女子校で、子どもの伸び方は変わるのか」
「説明会や文化祭で、どこを見れば校風が分かるのか」

こうした疑問は、どのご家庭でも必ずぶつかる壁です。

ひとつ言えることは、校風が子どもに合っているかどうかが、6年間の充実度を決める ということ。
校風が合えば子どもは自然と伸び、逆に合わなければ、どれだけ偏差値の高い学校でも苦しくなります。

入学後に「こんなはずじゃなかった」とならないようにしっかりと押さえておくとよいでしょう。

校風を判断するとき、最初に見るべきは「この学校は子供たちにどんな子に育ってほしいと思っているのか」という“価値観”(学校からのメッセージ)です。

校風を次の3つタイプの対比で分類して考察してみます。

【校風の3タイプ】
1.自由型管理型
2.生徒主体型学校主体型
3.競争重視型協働重視型

では、それらがどういった校風なのかもう少し詳しく見ていくとともに、我が子に合うメッセージを発信している学校を探してみましょう。

自由型 vs 管理型

自由型

主な特徴

校則が比較的ゆるやか

髪型・服装の自由度が高い

スマホ利用や持ち物のルールも比較的柔軟

生徒会や委員会が学校運営に深く関わる

探究型・プロジェクト型の学習が多い

レポート・プレゼン・ディスカッション中心
「正解を覚える」より「考え方をつくる」教育
ICT活用やSTEAM教育が盛ん

進路の幅が広い

医学部・難関大だけでなく、芸術・海外大など多様
自分の興味に合わせてカリキュラムを選択できる学校も多い

校風が明るく、のびのび

生徒の自主性を尊重する文化
行事・部活・学校生活の自由度が高い
「自分で考えて動く」ことを重視

代表的な中学校

三田国際学園中学校(東京)

探究型学習の代表格
ICT活用・英語教育が非常に強い
プレゼン・ディスカッション中心の授業
帰国生・海外志向の生徒も多い

桐朋中学校(東京)

伝統的な自由校風
校則が少なく、生徒の自主性を尊重
理数・芸術・文学など興味に応じて深められる環境
「自分で考える」教育が根付いている

和光中学校(東京)

個性尊重の教育で有名
評価はテストだけでなくレポート・活動も重視
芸術・表現教育が豊か
校則が非常に少なく、自由度が高い

管理型

主な特徴

校則が厳格

髪型・服装・持ち物などに細かい規定あり
スマホ禁止や登下校ルールも明確
礼儀・挨拶・時間厳守など生活指導が徹底

学習管理が緻密

定期テスト・小テスト・補習・講習が充実
宿題・提出物の管理が厳しい
成績によってクラス分けや指導方針が変わることも

進路指導が強力

難関大学・医学部・国公立大への進学実績が豊富
進路面談・模試分析・志望校対策が手厚い
学校主導で進路を導く体制が整っている

校風は真面目・勤勉

落ち着いた雰囲気で、学習に集中できる環境
部活よりも勉強を優先する傾向
教師の指導力が高く、面倒見が良い

代表的な中学校

開成中学校(東京)

難関大学合格者数トップクラス
学習管理は厳しいが、生徒の自主性も尊重
校則は比較的緩めだが、進路指導は非常に強力
全国から優秀な生徒が集まる

駒場東邦中学校(東京)

医学部進学率が非常に高い
校則・生活指導は厳しめ
学習管理が徹底されており、課題量も多い
真面目で落ち着いた校風

渋谷教育学園幕張中学校(千葉)

東大・海外大・医学部など進路の幅が広い
学習量・課題量が多く、管理型の代表格
校則は比較的柔軟だが、進路指導は非常に緻密
帰国生や探究型志向の生徒も多い

生徒主体型 vs 学校主体型

生徒主体型

主な特徴

学校運営に生徒が関与

生徒会・委員会活動が活発
校則や行事の企画・改善に生徒の意見が反映される
自主的なプロジェクトやイベントが多い

授業が対話・探究中心

生徒の発言や問いから授業が展開される
グループワーク・プレゼン・フィールドワークが多い
教師はファシリテーターとして支援

自律・自己決定を促す校風

自分の学び方や進路を自分で選ぶ機会が多い
失敗も学びと捉え、挑戦を歓迎する文化
自己肯定感・リーダーシップが育ちやすい

代表的な中学校

愛知教育大学附属名古屋中学校(愛知県)

「自主自立と共生」を教育理念に掲げる国立中学校
ノーチャイム制・私服登校など、生徒の提案で制度が変化
起業体験・地域探究など、探究学習が充実

広島叡智学園中学校(広島県)

日本初の公立IB一貫校(国際バカロレア)
全寮制で、生徒が生活・学習の両面で主体的に活動
地域課題・国際課題に取り組む探究型教育

横浜創英中学校(神奈川県)

「全員担任制」で教員がチームで生徒を支える
「自律・対話・創造」を教育コンセプトに、生徒が考えて行動する力を育成
校則や学校運営にも生徒の意見が反映される

学校主体型

主な特徴

教育理念が明確

「自律」「共生」「国際性」など、学校ごとの教育目標がはっきりしている
教育方針に沿ってカリキュラムや行事が設計されている

学校が学びの環境を設計

校舎・設備・ICT・探究スペースなど、教育目的に合わせた空間づくり
教員の指導体制や研修も学校主導で整備されている

生徒の主体性を引き出す仕掛けがある

生徒が自ら考え、行動する場面を設計(探究・行事・委員会など)
ただし、自由放任ではなく、学校が枠組みを整えて導く

地域・社会との連携が強い

地域課題・国際課題などをテーマにした学びが多い
公立・国立校に多く、自治体や大学との連携が活発

代表的な中学校

広島叡智学園中学校(広島県)

広島県が設計・運営する全寮制の公立IB校
国際バカロレア(IB)を全生徒が履修
校舎・寮・探究スペースなど、教育理念に沿った設計
地域・国際社会とつながる学びを展開

愛知教育大学附属名古屋中学校(愛知県)

国立大学附属校として「自主自立と共生」を教育理念に掲げる
ノーチャイム制・私服登校など、生徒の提案を制度化
起業体験・地域探究など、探究学習が充実

共立女子第二中学校(東京都)

「セルフリーダーシップ」を教育方針に掲げる女子校
学校行事・生徒会などを生徒が主導し、学校が支援
校則改革や施設改善も生徒の声を反映

競争重視型 vs 協働重視型

競争重視型

主な特徴

学力競争が前提

定期テスト・模試・順位表などで競争意識を刺激
成績によるクラス分けや補習制度がある学校も
「負けず嫌い」「上を目指したい」タイプの子に向いている

先取り学習・ハイレベル授業

中学段階から高校内容に踏み込むことも
難関大学・医学部・海外大などを見据えたカリキュラム
授業進度が速く、課題量も多い

進学実績が強力

東大・京大・医学部・早慶などの合格者数が多い
学校全体が「進学」を軸に動いている
保護者向け進路説明会・模試分析も充実

校風はストイック・真面目

勉強中心の生活スタイル
部活よりも学習優先の傾向
生徒の意識が高く、互いに刺激し合う雰囲気

代表的な中学校

開成中学校(東京都)

東大合格者数全国トップ
自由な校風ながら、学力競争は非常に激しい
生徒の自主性と向上心が高く、切磋琢磨する文化

桜蔭中学校(東京都)

女子最難関校の代表格
医学部・東大・早慶などへの進学実績が圧倒的
授業進度が速く、課題量も多いが、真面目な生徒が多い

駒場東邦中学校(東京都)

医学部進学率が非常に高い男子校
成績管理・進路指導が徹底されている
校風は落ち着いており、学習に集中できる環境

協働重視型

主な特徴

グループ・プロジェクト型学習が多い

探究活動や課題解決型学習で協力しながら進める
プレゼン・ディスカッション・フィールドワークが中心
他者との関わりを通じて思考力・表現力を育てる

教師と生徒が共に授業をつくる

生徒の意見を取り入れた授業設計
教師はファシリテーターとして支援
「分かる・できる・楽しい」授業を目指す

地域・社会との連携が活発

地域課題・社会課題をテーマにした学び
地域住民・大学・企業との協働プロジェクトも実施
「社会に開かれた教育課程」の実践

思いやり・対話力・協力性を育てる校風

他者を尊重し、共に学ぶ姿勢を重視
アサーティブな表現や傾聴の力を育成
いじめ防止・人間関係づくりにも力を入れる

代表的な中学校

綾川町立綾川中学校(香川県)

「ともにチャレンジ!」をスローガンに掲げる統合型公立中学校
全員参加型の授業づくりを推進
地域との協働・自然環境を活かした学びが豊富

中野中学校(東京都)

「協働型学校評価」を導入し、思いやりと対話力を育てる教育を展開
生徒・家庭・地域が一体となって人間関係づくりに取り組む
「困っている人を助ける」「率直に意見を言える」生徒の育成を目指す

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