教育分野におけるモンテッソーリ教育とは

2018-12-16

教育分野におけるモンテッソーリ教育

教育ということを思い浮かべた時に、どういった教育分野を思い描きますか?

世の中に数ある教育の中でも、とても有名なモンテッソーリ教育をご存知でしょうか。子供の発育に合わせ、子供ひとりひとりの成長に合わせた教育を行います。教育においてのサラブレッドを育成するイメージに近いかもしれません。

モンテッソーリ教育の徹底解明

モンテッソーリ教育では、教育学・心理学・大脳生理学といった面からの効果が証明された、教育方針や教具を使った教育をすることが大きな特徴として上げられます。それでは、モンテッソーリ教育に関して、少し掘り下げてみてみましょう。 モンテッソーリの教育と

モンテッソーリの教育とは

モンテッソーリ教育は、イタリアのマリア・モンテッソーリという女医が考案した教育方法です。子供に生まれながらに備わっている 自己教育力 をモンテッソーリ教育の前提としています。

例えば、子供に歩くことを教えなくても、子供は歩こうとします。また、好奇心旺盛で多感な時期には、積極的にあらゆる環境に関わりながら、多くの事柄を体験し吸収します。成長・発達の過程で、経験をもとに子供は自立に向かっていきます。
モンテッソーリ教育では、自立・有能・責任感・他人への思いやりを軸にして、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てることが目的となっています。

モンテッソーリの教育理念について

子供は元々自己教育力というものを持っています。しかし、子供自身が取り組めるように整備された環境や、その環境触れる方法を知らなければ、自己教育力を発揮することができません。

モンテッソーリの教育理念では、教師・大人の価値観で一方的に学びを教えるのではなく、子供自身の興味や発達段階を理解し、子供自身の触りたい・やりたいと思う環境を用意し、子供の自発的活動を促します。

子供は、自分で選択した活動に対して、繰り返し取り組みながら満足するまで行い様々な能力を獲得していきます。

モンテッソーリの教育内容について

良くも悪くも日本には義務教育という制度があるため、教育自体の自由化がされていません。そのため、小学校以降の教育にモンテッソーリ教育を取り入れることが難しい状態です。結果として、幼児期のための教育としてモンテッソーリ教育を受け取られるのですが、アメリカやヨーロッパでは小学校から大学までモンテッソーリ教育を準備しているところもあります。

モンテッソーリ教育では、0歳から6歳までの乳児期を発達段階の特徴から前期・後期に分けて考えます。前期は0歳~3歳、後期は3歳~6歳までを言います。前期・後期においてそれぞれの発達段階に現れる 敏感期 を背景にして教育環境を用意します。 敏感期は、自己教育力の具体的なあらわれであり、自分の成長に必要な事柄に対してとても敏感になります。環境の中から子供自身が選択し、取り組みながらその対象を難なく獲得する時期を言います。

前期の0歳から3歳まで

前期の0歳から3歳までをモンテッソーリ教育では、『呼吸する精神(無意識)』の時期と呼んでいます。人生の中で最も情報の吸収力が強く、人間社会へ適用していく時期です。
子供の自己教育力を発揮させる場として、7つの教育環境を用意しています。

①粗大運動の活動
子供の成長に関する自立への一歩として、運動の獲得があります。ここで言う 運動 とは、スポーツや遊びを通じた運動をさすのではなく、歩く・階段の昇り降りといった全身を使った大きな動きをさします。こういった、ずり這いから歩行までの運動獲得の援助を行います。

②微細運動の活動
ここでの運動は、主に手・指を使った運動のことを指します。握る・落とす・たたくといった動きによって微細運動の獲得の援助を行います。

③日常生活の練習
粗大運動と微細運動を複合させた運動のことを指します。社会生活の中での共同体の一員として日常活動に参加させることで、環境への適応を援助します。

④言語教育
人間のDNAに組み込まれている本能のひとつとして、言葉の獲得があります。子供は 話し言葉の敏感期 に沿って、自分の周囲で話されている母語を獲得します。ただし、言葉の量や質に関しては、環境に左右されます。モンテッソーリ教育での『言語教育』では、豊かな語彙を養うために子供の発達段階に合わせたきめ細かなステップを用意しています。

⑤感覚教育
子供は、無意識に与えられた環境すべてを吸収してしまう精神を持っています。吸収する精神によって溜め込んだ様々な感覚的印象は、感覚教具に触れることによって子供の中で整理されていきます。『感覚の敏感期』を考え、感覚教具を発達段階や興味に応じて提供することにより、感覚の洗練化を援助します。また、感覚教具の操作をすることで、子供の知性の覚醒も援助します。

⑥音楽
世界中でどの文化にも音楽が存在しますが、子供は音を聞くと自然に体を動かし、楽器を鳴らし自己表現を楽しみます。音楽を聴く・歌う・踊るといった環境を援助します。

⑦美術
粘土をこねたり、クレヨンや鉛筆を握って絵を描いたりします。目と手の協応動作の獲得だけでなく、思いのまま自由に表現することを楽しむ活動です。

後期の3歳から6歳まで

後期の3歳から6歳までをモンテッソーリ教育では、『意識の芽生え』の時期と呼んでいます。前期に無意識に吸収したさまざまな事柄を、意識的に整理・秩序化していく時期です。
子供の自己教育力を発揮させる場として、5つの教育環境を用意しています。

①日常生活の練習
『日常生活の練習』の目的は、運動の完成です。子供は大人のすることをまねしたがります。その「模倣期」と「運動の敏感期」を利用して、自分の意志どおりに身体をコントロールする能力を身に着ける場として『日常生活の練習』を提供します。

「子供はできないのではなく、やり方を知らない」という考え方をもとに、正確にやり方を伝えます。自分のことが自分でできるようになった子供は「自立」に向けた一歩を踏み出します。具体的には、歩く・コップに水を注ぐ・ハサミで切る・ボタンをかける・洗濯をする・室内を掃くといった実生活に密接に関連する多くの活動を行います。

②感覚教育
人間は感覚器官を使って情報を収集します。3歳過ぎの子供は、感覚器官がほぼ発達を遂げています。そのため、さまざまな感覚刺激に対して、敏感になっています。かすかな音や小さなもの、微妙な匂いや味に反応します。その「感覚の敏感期」を利用して、意識して感覚器官を使って練習するのが『感覚教育』です。練習によって感覚器官を鍛えることにより、バラエティに富んだ情報を集めることができるようになります。また、感覚教具には、「分類する」「段階づける」「対にする」という、三つの操作が位置付けられています。脳の前頭葉が働き始め、知性の芽生えの時期の子供は、「ものを観察する能力」と「ものを考える方法」とを身につけることになります。モンテッソーリ教育では、『感覚教育』は『言語・算数・文化教育』という知的教育分野の基礎となる大切な役割を担っています。

③言語教育
子供は最初から言葉を獲得しているわけではなく、「言語の敏感期」の時期に自分の周囲ではなされている言葉を母語として習得します。言葉の量や質は環境に大きく左右されます。モンテッソーリ教育の『言語教育』は、子供の言葉の発達段階に合わせてステップを踏み、語彙を豊かにすることから始まります。文字を書くこともまた、『日常生活の練習』や『感覚教育』で養った手や腕をコントロールする力を利用しながら、習得できるような工夫がされています。結果、子供は文字に興味を持った時期に無意識に、文字を書いたり読んだりができるようになります。

④算数教育
幼児期には『数の敏感期』が現れます。数字の大きさや街にあふれる数字の量に興味を示します。そのタイミングで、数に関する教具環境を提供することで、数の吸収を容易にします。モンテッソーリ教育の算数教具は単に数を数えるだけでなく、数量が具体物表され、手で扱えるようになっています。それらは、感覚教具からの継続として準備されています。既知から未知へ、子供を導きます。

⑤文化教育
「ことば」と「数」以外の子供の興味を対象とした分野が『文化教育』です。地理・地学・歴史・動物・植物など、小学校の社会科・理科に相当する分野を扱います。子供の知りたいという要求に応え、興味の種を可能な限り多く蒔くことを目的とし、他の分野が統合された総合学習としても考えられています。

モンテッソーリの教具(家庭で行うモンテッソーリ教育)

モンテッソーリ教育で利用する教具は、市販されており購入することが可能です。モンテッソーリ教具は保育園、幼稚園、小学校などの教育機関で使用される教材です。そのため、家庭での玩具のように子供に与えるものではありません。玩具のように子供に与えてしまうと、モンテッソーリ教具を使っていてもモンテッソーリ教育にはなりません。モンテッソーリ教具を使用する教師は、必ず正式にトレーニングを受け、正しい提供方法を学ぶ必要があります。モンテッソーリ教師育成コースにて提供方法を学ぶことも可能です。

モンテッソーリ教具は、それぞれの年代で発生する子供の持つ強い興味に合わせて提供する必要があります。

日本でモンテッソーリ教育を受けるためには?

海外では認知度の高いモンテッソーリ教育ですが、日本では小学校・中学校と義務教育という仕組みがあるため、学びの場としてはとても少ないです。幼児教育という時期においては、モンテッソーリ教育は日本でもよく耳にするようになり、全国でモンテッソーリ教育を受けられる場が増えてきましたが、小学校・中学校は突然少なくなります。義務教育制度があるので当然ですね。

海外では、幼児教育時期から大学卒業するまでのすべての過程でモンテッソーリ教育を受けられるようになっています。幼児教育から社会に出るまで、一貫してモンテッソーリ教育を行うことが重要のようです。中学・高校・大学と日本でも数校ですが、海外同様にモンテッソーリ教育を一貫してうけることができそうですが、まだまだハードルは高そうです。

モンテッソーリ教育を受けた有名人

最後に、モンテッソーリ教育を受けた有名人を少し紹介しておきましょう。

モンテッソーリ教育を受けた政治家

英国王室:
ウィリアム王子・ヘンリー王子

アメリカ大統領:
バラク・オバマ

モンテッソーリ教育を受けた事業家

Googleの共同創業者:
セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ

Amazon創業者:
ジェフ・ベゾス

Facebook創業者:
マーク・ザッカーバーグ

マイクロソフト創業者:
ビル・ゲイツ

モンテッソーリ教育を受けた著名人

プロ棋士:
藤井聡太

アカデミー賞俳優
ジョージ・クルーニー

世界的チェロリスト:
ヨーヨー・マ

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